塾長日記diary

2016/07/23

 「いつかは自分で食べていく力を身に着け、親元を離れられるように。」そんなつもりで子育てを始めました。毎日しっかり食べさせ、いろいろな経験をさせ、ぐっすり寝かせる・・・それだけでよいと思っていました。

 しかし、うまくいきませんでした。

息子は小学校高学年ころから、対人トラブルを頻繁におこすようになり、その都度私たちは全力で対処しようとしましたが改善せず、中学、高校と進むにつれ、問題はいよいよ複雑になりました。

ほんとうに、毎日問題が起こらない日はなく、家庭は殺伐としていきました。息子は自分の興味のがあること以外は、やる気や根気がまったくなくなり、夜遅くまでゲ-ムやインタ-ネットなどに没頭し、昼近くに起きてきて、私たちが出勤前に作って置いておいた昼の弁当を食べる、という生活になりました。

ゲームやインタ-ネットに制限をかけようとすると、異様なくらいに激して、私と死闘を繰り広げたこともありました。それでも息子が自分で興味があることによって、社会と健全につながっていければ、と思い、コンピュ-タ・グラフィックやデザインの専門学校への進学も応援しました。

 しかし、それもうまくいかず、息子はどんどんネットにはまり、それを邪魔する母親は憎悪の対象だったのではないかと思います。このままでは息子も私も家族もだめになってしまう、と思いました。

 これまで、公的な機関はいろいろと利用しました。しかし、すべてその場限りでなんの解決にもなりませんでした。「なんとか息子をネットの世界から切り離し、現実の世界で生きていけるようにしなければ。」と思いましたが、家庭内ではそれは不可能です。親のいない環境、しかも、すぐには逃げ帰れない状況に息子を置かない限り、息子と家族の未来はない、と考えました。

 息子をなんとか現実世界で生きていけるようにして欲しい、との思いでたどりついたのが「自立支援躾塾(当時翼トレ-ニングスク-ル)」でした。入塾当時、きっと、息子は、ぬるま湯からいきなり南極に薄着で放り出されたような気分だったと思います。親を恨んだことでしょう。

入塾から3年半になりますが、息子とは一切連絡をとっていません。息子の将来を託した塾の方針に賛同しているからです。しかし、こっそりと、息子の写真が「その他大勢」としてときどき掲載されるブログを毎日チェックして、息子の様子を見守っています。

 お蔭様で、現在息子は夢に向かって努力していて、少しですが働くことも継続できているようです。息子の現在の心境はわかりません。もしかしたら、ずっと親を恨んでいるかもしれません。

一生恨むかもしれません。しかし、恨まれても、息子が意欲的に自分の人生を生きていけるならば私たちは幸せです。親は子どもより先に死ぬのですから。

我が家で息子の話題をしない日はありません。息子が自分の足でしっかり歩き始めるまで、原様と連絡をとりながら、見守っていきたいと思います。

がんばれ!息子!

原様はじめ、塾のスタッフの皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

【原文ママ】

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